もう2か月も経ってしまったが、横浜ストリームによる市民レポーター養成講座がきっかけとなり、つらつら考えていることを書いてみる。この一連の講座は、市民目線での情報発信を大きなテーマに据えているので、ここでも「情報発信」する場合を念頭に置いている。自己表現のために文章を書くのとは、また別の話。
今はパソコンやケータイ、スマートフォンなどが日常に入り込み、誰でも気軽に情報収集や情報発信ができるようになっている。でも、言語の壁はまだまだ高いと感じる人が大半じゃないだろうか。読むのはなんとかなっても、書くのはなかなか難しい。もちろん行政サービスなどは、時間とコストをかけても多言語対応すべきだと思うが、一般的な立場では、広く伝えたい情報があっても、コスト効果を考えるとなかなか翻訳までは…ということになる。
それに、人が欲しいと思う情報というのは、えてして、表向きの公式情報じゃなく、実感の伴う「非公式」情報だったりする。
自分が情報収集するときのことを考えてみた。ある固有名詞に関するTwitterでの発言をTwitter検索ページから検索し、その結果のRSSを購読する方法を使っているが、意外に色々な言語のツイートがヒットする。当然、意味はわからない。しかし試しにGoogleやExciteの翻訳を使ってみると、大まかな意味が分かる。本当に正しい訳かどうかは不明だが、趣味だからそこまで厳密でなくていい。
そこでハタと思った。日本語で書かれたツイートやブログも、このような方法で読まれてる可能性がある。
それならば、キーワードを抜き出して(できれば一般的な日本語と英語で)タグ付けすることで、たとえ本文が日本語のままでも、情報が届く範囲が格段に広くなる。さらに、スペースに余裕のあるブログやウェブサイトなら、言いたいことの要旨を、文法的に正しく構文が単純な(機械翻訳に適した)日本語で書き添えれば、さらに効果的なんじゃないだろうか。本文に組み入れるのが嫌なら、目立たせずにページに入れ込む方法はいろいろあるだろう。
速報性が重要なニュース、地域的なイベント、人が欲しがるマニアックな情報などに、この方法は向いているかもしれない。ニュースやイベント情報であれば、あらかじめテンプレートやタグを作っておけば、さらに作業を効率化できるかもしれない。そういう情報を求めている人として思い付くのは、たとえば、日本在住だが日本語がそれほど堪能ではない外国籍の人、日本のカルチャーに興味のある海外の人。そしてもしかしたら、日本に住み日本国籍であるがムツカシイ文章は苦手な人、も多いのかもしれない。同じ義務教育を受けているはずの日本人であっても、実は文章理解力には大きな差がある可能性は、これまでの文字メディアではあまり考慮されてこなかったんじゃないだろうか。複雑で回りくどい文章などは、ほとんど読まれもしないのかもしれない。かと言って、週刊誌やテレビのバラエティみたいな、あおり文句や軽薄な表現を多用すればいいというのでもない。せめて要旨の部分は、対象読者の多様性を考えて、正確ですっきりした文章で書くように心がけてはどうだろう。
過去のブログから転記しました