コミュニケーション

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以前に同じ会社で働いていた知人からブログ開設の連絡をいただいたので、ご紹介がてら、思ったことを書こうと思う。このブログは何人かで交互に記事を投稿されているそうで、それならば比較的少ない負担で頻繁に更新でき、話題にも幅が広がりそうだし、ちょっとうらやましい。

知人は翻訳とは直接関係ない仕事をされているのだが、一緒に仕事をした数年間は、営業の視点、マーケティングの視点、ユーザーの視点など、いろいろと学ぶところも多かった。記事にもあるように、仕事上で英語を使う場面も多かったが、コミュニケーションの基本は「相手に伝えようとする努力」にあるということは、わたしもまさに実感していた。もちろん前提として、お互いに話を聞く姿勢があることは重要だが、伝えたいことを確実に伝えるための努力、というのは非常に大事だ。それは文法的な正しさとか発音の正確さとは別の次元の話だ。結局のところ自分が何を相手に伝えたかったかではなく相手にどう伝わったかが全てなのだから、相手が理解するまで手を変え品を変え表現を変え、繰り返し、念を押し、相手が誤解していると思ったら訂正する。そういうことを面倒がってはいけない。特にアジア圏の人の中に日本人が混じっていると、多くの日本人はそういうことを恥ずかしがったり面倒がったりして、放棄しているように思える。これは英語でのコミュニケーションに限ったことではなく、日本人どうしでも同じことが言える。よく、「何であいつは俺の言うことを理解しないんだ、あいつはバカだ」のような発言をする人がいるが、自分の伝え方にも問題があるかもしれない、と省みるべきじゃないだろうか(特に経営者とか政治家とか、コミュニケーションが重要な立場にいる人、もっと発言には気を付けろ、と言いたい)。

話しが少々脱線したが、話を聞く側にも、コミュニケーションをうまく運ぶためのコツのようなものがある。これはあくまでも、口頭や非公式なメールなどでのコミュニケーションに限るが、言葉尻にとらわれ過ぎないことだ。ちょっとした表現のあやに、カチンと来たりおろおろ心配したりしていては、相手が何を言いたいのかを見失ってしまう。また、相手がどういう立場にあるのか、立場上そう言わざるを得ないのか、本当に言いたいことはどの部分なのか、分析しながら聞くことも大事だ。いちいち言葉尻を捉えて反応するのではなく、的確なタイミングで的を射た相槌を打てば、すごく真剣に聞いているように見えて、相手の心象も良くなるかもしれない(笑)

しかし、公式な文書ということになると、いろいろと気を遣うべき点は変わってくる。それは翻訳という仕事にも通じるところがある。それは長くなるので、また別の記事で書こうと思う。

過去のブログから転記しました